OI POLLOI
"Carson?" 7" (Nikt Nic Nie Wie) ¥400
その衰えない活動力と闘争心でまたもOi Polloiの新作がリリース。「No
More English Rules」をテーマの重点に置き、私たちの固有の言語や文化を破壊する「侵略者」による英語化政策(つまり、それは私たちの精神や感情の標準化)を痛烈に攻撃する本作は、全曲、彼らの母国語・ケルト語で唱われた全3曲。インナーシートには、イギリス政府による植民地政策によって、絶滅寸前のケルト語に属するゲール語について書かれた文章や、本作のテーマに関連する文章がびっしり載せられている。あるバンドの言葉を借りれば、本作は「異質だと見なされている人々に対してどのようなことが起こりかねないのかを私たち皆に思い出させてくれる」。Oi
Polloiの怒りも最高潮に達しており、そのアングリーなアナ−コパンク・サウンドと相まって、強力にインスピレーショナルな新作。
OI POLLOI "Mind The Bollocks" 7" (Kamaset
Levyt) ¥400
Oi Polloiの'06年録音ニュー・シングル! サウンドは説明するまでもなく、彼ら特有のストロングさとキャッチーさが見事に同居した全4曲。そして、今回のシングルに収められた全4曲は「性」がテーマで、企業によって売られる「セックス」のイメージ、「囚人レイプ」の現実ーーどれも非常に大切な問題を扱っていて、中でもとくに興味を引いたのが、いわゆる社会的に「慎むべき行為」や、身体的に「悪影響」という言説が成されることが大半の
"マスターベーション
(オナニー)" に対する神話や、あらゆる誤解に徹底して突っ込んでいることである。それらの背景の中心には、「宗教的有罪」、「家族の文化的伝統」といった支配のシステムが存在していることを指摘し、「マスターベーション」(男性の)
が "前立腺がん"
の予防に有益といったことも書かれてある。私たちが大切なことを忘れれば、マスターベーションが「不健康」になるというマイナスの面
も (これがかなり大事)。彼らは、"A Whole New Ballgame (真新しい球技)
" の中でこう言っているーー「きみにとって何が良いかを知っているなら、自分の体に気配りを」。さらに、「パンクスとスキンズが笑っている。まったくひどい俺たちのキンタマをチェックしろ」とも。これは、いわゆるスキンズとパンクスの対立を例にあげ、自分の体を知ることで、互いに分かりあえ、俺たちが実は何に立ち向かわなければならないか
(この曲では「前立腺がん」をその「敵」に例えている)、といった意味を込めていると思われる。ちなみに、タイトルの
"Mind The Bollocks" の意味は「キンタマに気を使え」だし、レコード・ラベルには2つの睾丸にスキンズとパンクスの顔をあしらったOi
Polloiのバンド・ロゴがある。私は、このシングルに触れて、「文化的規制」や「資本主義の標準化」を強制し、俺たちを分断させ、俺たちに「死」を提供する連中がいかに無用かーーまたこれらの「忌わしき不純物
(者)」が俺たちの体に介入し、人間本来の機能 (aka 人間らしさ) をいかに奪い不可視にしているかをさらに強く実感した。そして、もっと自分の体(こと)を知りたくなったし、他者との新たな関わり合いについてもさらに希望を感じることができた。つまり、自分の中の「生きること」に対する鼓動を限りなく激しくさせたくなった。Oi
Polloi、ありがとう。
OLOTILA
"31 Laulua Masennuksesta Ja Toivosta" CD-R (Reset
Not Equal Zero) ¥600 現在はPax Americana、Unkind、Mojakkaなどで活動しているメンバーらが、90年代中期に結成した男女ツインヴォーカル・フィニッシュ・アナーコパンク・レジェンド
"Olotila" の、以前リリースされていた海外版と同内容のディスコグラフィーの日本版CD-Rが、Reset
Not Equal Zeroより正規リリース。サウンドは、レーベルの気持ちの入った説明をそのまま転載してもいいだろう:
まさに「聴き取りやすく素敵なメロディーのボーカル、センスの良いサックス、ルーズなギター、安定感のあるリズム隊どれをとっても最高」なフリーキー・パワフル・アナーコパンク・サウンド。今のフィンランド・パンク
/ハードコア・バンドのウェブサイトを見ると、メンバーがフェイバリット・バンドにこのバンドを挙げているのを見かけたりするが、それも納得だ。私はたまに無力感や不安感に襲われることがある。最近はとくに、Acclaim
で何をやろうが何を言おうが、この無機質に進行していく世界に私の何もかもがすうっと奪われていくような気がして、この感覚は結構辛い。しかし、Olotilaの「この世界を止めろ。私はここを去ろうとしている。使われすぎたバックは臭い始めている。お前も一緒にこの臭いを消し去ってくれないか。この世界を止めろ。俺はここを去ろうとしている。私は降りるつもりだ」という言葉に元気をもらった。今はこの彼らの言葉の意味が強く理解できる。全31曲。
OPUS DEAD
"Control" CD (Opus Dead Records + Many Others)
¥900
スペインはマドリードのスラッシー・ポリティカルパンク・バンド "Opus
Dead" の今のところ最新の3rd アルバム。 ほどよい加減のソリッドなメタリック・ギター、うねるベース、独特の展開
(Black Sabbath を思わす 70'sロックな展開も) が絶妙に融合されたタイト&ストレートフォーワードなスラッシュパンク。スペイン語で叫ぶヴォーカリストもほどよい力の入れようでカッコ良く、立場鮮明なストレート・ポリティカル・リリックス
(スペイン語/英訳掲載) もそのサウンドに合っている。Denak のカバー含む全14曲、インターナショナルな15
DIYレーベルが協同した作品。これはグッド・スタッフ。
PACK
"Booze For Future" 7" (Rinderherz) ¥400
スイスのブルータル・クラストコア "Pack" の2ndシングル。His Hero Is
Gone や The Dagda ほど叙情的な展開はなく、もっとストレートだが、彼らのようなダークな味つけたっぷりの破壊力十分のサウンド。"Booze
For Future (未来のための酒盛り=どんちゃん騒ぎ)"と題されたタイトル曲は、「退屈のために騒ぐか、未来のために騒ぐか」と投げかける、最高の生の謳歌ソング。こりゃ燃える。全4曲!
PERSONKRETS 3:1 "The Glorious Dead" CD (Halvfabrikat)
¥900
スウェーデンのHalvfabrikatからの単独リリースとなるCDバージョン。内容はLPバージョンと同じなので、以下のコメントを参照のこと
:
( 素晴らしい。前作 "Life Is Beautiful" 10" の延長線上にあるが、このスウェーデンのPersonkrets
3:1のファースト・アルバムは、より音の密度が濃くなり貫禄さも増し、なにより壮大なPersonkrets
3:1の世界観を創作した大傑作となった。とにかく音の隅々から尋常じゃないものを感じる。伝統的なスカンジ・ハードコアと90'sダーク・クラストのミックスとありきたりの形容詞で説明すればおそらく見向きもされないであろうが私はそうさせるわけにはいかない。なぜなら、この
"The Glorious Dead" と付けられたタイトルにも触れねば、本作のレビューをしたとはいえないからなのだ。"The
Glorious Dead (名誉の死)" ーー かれらの曲の説明の中には、「この曲は第一次世界大戦直後に宣伝されたスピーチから来ているのでそのタイトルを付けた。」ーーとある。第一次世界大戦
(以下WW1)、あるいは「The war to end all wars (すべての戦争を終わらせる戦争)」とも呼ばれるーーは、戦争が産業化
(機関銃の大規模導入、飛行機、戦車の初導入、鉄道の軍事的利用、毒ガス兵器も初めて使用された)
され、愛国心 (戦争参戦国内では様々な愛国心・戦意高揚のためのプロパガンダ・ポスターが作られた)
が利用された、戦争の歴史においても重要な転機となる戦争だった。つまり、この
"The Glorious Dead (名誉の死) " というタイトルは、戦争の歴史において国民が初めて聞くことになる「戦争美化」の組織的な公的スローガンであり、それが上手く機能した最たるものでもあった。この曲の中では、WW1の別
の呼び名でもある「The war to end all wars (すべての戦争を終わらせる戦争)」が歌詞にも引用されている。この呼び名もまた愛国心・戦意高揚のための「清く」「正しい」戦争であることを宣伝するために使用されたものであった。かれらは曲・解説の中で「
"すべての戦争を終わらせる戦争" はまだ起こっちゃいない」ーーと強調する。そう、「すべての戦争を終わらせる戦争
(闘争)」は、決して戦争国家群によって起こされるものではなく、私たちが起こしていかなければならないものなのだ。そうでなければ、もうお分かりだろう。その他、イスラエルーパレスチナ紛争についてバンド・メンバー自らの体験から書かれた
"Warcrimes" も印象深く熱い。全10曲。繰り返そう、素晴らしいバンドだ。
)
( この曲は第一次世界大戦直後に宣伝されたスピーチから来ているのでそのタイトルを付けた。俺はだれがそれを言ったかを覚えていないが、それは「名誉の死に万歳!」と一体化し結末を迎えたーー戦場で死んだその人々を指す。WW1は熱狂的なナショナリズムと愛国心をもって危険性を示した。それはまた産業化された戦争の狂気、および戦場の「名誉の死」の全体構想の狂気を示した。しかしながら、俺たちはクソを学習しなかった。戦争は未だ現実だ。俺たちは現代の産業化された戦争が「清く」「正しい」と信じるために騙されたが、これはたわごとであるーー戦争は未だ苦痛と被害、流血と小便まみれ、むき出しの内臓と嘔吐、恐怖と憎しみ、レイプと殺人、切断された喉と腐敗した死体の山だ。すべての戦争を終わらせる戦争はまだ起こっちゃいない…
) ー The Glorious Dead (名誉の死)
PROTESTERA
"Rock n Riot" CD (Halvfabrikat) ¥900
Acclaim Collective (以下、Acclaim) 内のオールタイム・フェイバリット・バンドーーそしてAcclaimが、日々の抵抗に関して多大なインスピレーションを受けているスウェーデンのスーパー・アナーコパンクス
"Protesteta" の2ndアルバムが遂に到着。本作の録音は2002年ーーメンバーの一人が投獄されていたため、2年越しのリリースとなった。そして、本作は、Skuld
ReleaseからリリースされているLPヴァージョンのCDヴァージョンである。Acclaimみずからが「スーパー」と名付けるのがまったく大げさに感じられないまさに「スーパー」なアナーコパンク・アルバムだ。1stアルバムから続くストレートさが魅力の彼らだが、それに加えて、とにかく表現力の豊富さもますます尋常じゃなくなっている。あらしの前ぶれ
(すなわち新たな世界への夜明け前だ) を表現した不穏なイントロから、勇ましい"Protestera"
の世界 (すなわちこれが新たな世界だ) へ突入ーー以降、彼らの勢いを象徴するような様々な表現力を駆使した圧巻のナンバーが続く。しかも、タイトル曲
"Rock n Riot" ではノリノリのロックンロール・ナンバーまで披露。そして、彼らの冷静さが表現されたようなーー審美
(醜いものと美しいものを見分けること) な抵抗者たちを癒すようなトライバルなパーカッションとアコースティックを組み合わせたナンバー
"Outro" でラスト。ブックレットには、スウェーデン語/英語の歌詞/解説ーーそして、我々みなに「疑うな、でしゃばるな、そのように生きろ!」と、ますます「現状維持」を促すこの世界に対して、「俺/私たちは黙る「必要性」なんてない!」といったあらゆる個人の感情や行動をもっとも讃える彼らの言葉の数々ーーそれはまた我々みなのすぐ近くにあるものでもある。ゆえの全9曲ーーさあ、新たな世界へようこそ!
そして暴動をロックしようぜ! 最後にこのアルバムを表現するにピッタリの言葉をーー「吹けよ、あれよ、風よ、あらしよ」ー伊藤野枝
PUNKORA
"Nadie A Los Llamados" CD (Maldita Cruz)
¥800
オリジナルは、2001年にスペインの Komunika からリリースされた1stアルバムCDRに、Eskoria
とのスプリット・テープの音源を加えた、チリのパンクロック・リベルタリオ
"Punkora" の再発版。このバンドは、アナーコパンク・コレクティブ "Masa
Punk" のメンツが参加しているチリのアナーコパンク・シーンの中心的存在にあるバンド。南米スタイルとも言えるポップでシンガロングで荒々しいパンクロック/ハ−ドコア・サウンドで自治を叫ぶ。クール。
RES GESTAE "s/t" CD-R (El Paso) ¥400
以前、入荷したコロンビアのアンチ=キャピタリスト・ストレートエッジ・ハードコア・バンド
"Res Gestae" のグレート1stアルバムが、ニュージーランドの新興DIYレーベル
"El Paso" より再発! 新たに、ホワイト・コットン地にブラック・インクによるシルクスクリーン・プリントのDIYパッケージになり、これがクール。ちなみに、このレーベルを始めた彼は、以前、Acclaim
で通販もしてくれたニュージーランド在住のコロンビアン。このアルバムのレビューは以下の参照のこと。
( コロンビアのアンチ=キャピタリスト・ストレートエッジ・ハードコアの1stアルバム。これはカッコ良い。いわゆるレイジングなオールドスクール・ハードコアを基本とはしているが、もっとヘヴィで激情でドラマチック、そして展開多しでスリリング。スペイン語で叫ぶヴォーカルも発狂まではいかない絶叫スタイルで燃える。ラストには
Catharsis の "Passion" のカバーもやっていて、これまた素晴らしい出来映えで熱くなる。痛烈な資本主義批判&革命的な歌詞も鋭い考察力を持っており、キューバの民族詩人「Nicolas
Guillen (ニコラス・ギリェン)」の詩をカバーした曲 " La Radical Contradiccion
(The Radical Contradicion) " では、「働かなかろうが、奴らは殺すし、働こうが、奴らは殺す。奴らは私を常に殺す。奴らは殺す。奴らは私を常に殺す」と叫ぶ。英訳も付いているので、興味のある人は是非読んでみて。Left
For Dead meets Catharsis! 全12曲! )
RICHARD
DURN "国家の暴力が正義と名付けられる限り、国民の正義は暴力と名付けられるだろう"
CD-R (Missing You Is Killing Me) ¥500
フランスのアンチ=キャピタリスト・カオティック・ファスト・ハードコア
"Richard Durn" の日本版デモCDRが、北九州の "Missing You Is Killing
Me" よりリリース。SpazzやOpstandのような怒りに満ちたファスト/パワーバイオレンスなハードコア・サウンドに、妖しいキーボードが絡み、
The Locustっぽさもある独特のスタイル。そして興味深いのは、この「Richard
Durn」というバンド名だろう。このバンド名は、フランスの平和主義の庶民的若手政治家の名前から取ったらしいが、この政治家は、政治団体の集会で、その集会に来ていた人々に拳銃を発砲し、自ら命を絶ったという。その後、フランスのメディアでは死んだ彼に対し「頭のイカレタ暴力政治家」というレッテルを貼り、悪者扱いした。なるほど、そしてこの「国家の暴力が正義と名付けられる限り、国民の正義は暴力と名付けられるだろう」というタイトルか。。。こうした「悪者扱い」の構図は、ここ日本でも頻繁に見受けられる
: オウム・新興宗教・殺人者・ホームレス・政府の政策に反対するデモに参加する抗議者
(とりわけ、そこで警察に捕まった者)・その他「社会のルール」に従わないあらゆる者。しかし、国家や資本が圧倒的な抑圧・管理装置
(軍隊・警察・裁判所・監獄) を駆使して、世界中の人々を殺りくし苦しめているにもかかわらず、なぜ奴らは一向に攻撃の対象にならないのか?むしろ奴らの行為はいつだって「正義」だ。
Richard Durnはこう言っている : 「もちろん、銃をぶっ放すという彼の暴力行為に関して、賛成はしていない。ただ、私達は皆Richard
Durnのように成り得るという危機、システムによって自分自身を見失い、崩壊させえるという危機。私達の希望、戦い、怒り、失望を、システムに流されず、すべてを自分達の目で確かめなくてはいけないというメッセージを投げかけているのである」。Acclaim
Collectiveも投げかけたい : メディアで「悪者扱い」をされている人々に何処かこころの奥底で怒りを感じていない自分を信じろ、と。自分自身にある疑問を信じろ、と。Richard
Durnの言うとおり、彼 (Richard Durn) や、「悪者扱い」される人々を私たちが考慮しようとするとき、人間の交流における「愛とは何か」という、私たちの根源的な問題に希望の光をもたらすかもしれない。シルクスクリーン・カバー仕様で、歌詞解説の日本語訳、パッチ付。しかもボーナストラックとして、ライブ5曲も収録。全15曲!
RINTO
"CD-Lie" CD (GKI Entertainment) ¥700
デビュー7"に引き続き、川崎の「秩序紊乱」・ロッキン・パンク・アタック
"Rinto" のニュー・シングルがDIYリリース。前作に比べ、よりロッキンになり、多少聞かせる内容になったと思うが、Acclaim
的にはニヤリとさせられる「秩序紊乱」な歌詞も相まって、 Rinto 独自の激しさと緊張感を持ったハードコア/パンク・サウンドを、彼らはこのシングルで創作したと言っていい。あえて音楽的に例えれば、初期Black
Flag、Minutemen、はては、Big Boys などの影響といったところだろうか。前作のステンシル・ジャケットと同様に手作りのパッケージは、今回はシルクスクリーンの封筒ジャケ。「a-kira→me!!!」の歌詞が良かった。
SANCTUM
"Enslaved" 7" (Barrage Of Salt) ¥400
シアトルのネオ・ステンチクラストコア・バンド。元々はバンド自身によってリリースされたファースト・シングルがニュー・アートワークで、Barrage
Of Saltより再発。このSanctum、世界中でかなり支持を集めているバンドのようだが、このデビュー作から非常にクオリティの高いサウンドをプレイしており、それも理解できる。もっともインスパイアされたのは、Bolt
Throwerで、その他後期80'sUKメタルクラスト・バンドの影響、さらには、Entombed辺りも思わせる破壊力抜群のサウンドがなるほどかっこいい。テンション上がるダイナミックなドラミングがいい。全4曲。
SANDINISTA! "s/t" CD (Old Skool Kids
/ S/T Demo) ¥900
Timur Kacharava ー 彼は、2005年11月13日に、ナチによって虐殺され、21歳で亡くなったロシア・サンクトペテルブルグ出身のアナキスト・パンクスであり、この
Sandinista! のギタリストでもある。俺が彼のことを初めて知ったのは、殺された翌日のどこか名も分からない一人のパンクス
(その後、Timur のメモリアル・サイトを作成した Alex というパンクスと判明)
からのこの彼の死を知らせるメールだった。俺はその文を日本語に訳してこの
Acclaim のホームページに掲載した。それ以来、そんな経緯もあって、俺は働いているときや、夜中寝つけないでいるときにも彼の存在が心の中に現れるほど気になってしょうがなかった。彼はもう死んでいるというのにいつかどこかで会えるような気がしていたからかも知れない。そして、この
Sandinista! の最初にして最後のアルバム (Timur の死に伴いバンドは解散)
が遂にリリースされた。Catharsis、Born Against、Refused、Econochrist、Black
Flag などの影響下にある滅茶苦茶熱いダーク・モダン・ポリティカル・ハードコア。俺はこのアルバムを聞いて、彼のことをもっと知ることができて、本当に涙がこぼれそうになった。そして、俺はブックレットに書かれた彼の直筆の言葉「don't
kill me. i'm in love (僕を殺さないでくれ。僕は愛の中に生きている)」を見たとき、ずうっと漠然と抱いていた「彼といつかどこかで会えるような感覚」が分かったような気がした。Forever
in Our Hearts. and Fuck Nazis.
SEE YOU
IN HELL "Market Your Self" CD (Too Circle)
¥1,300
現在、チェコ・パンク/ハードコア・シーンでもっとも活動的なバンドの一つ
"See You In Hell" のファースト・アルバムの CDバージョンが、しかもジャパニーズ・バージョンとしてリリース。これは彼らのベストワークだろう。スカンジ/ジャパニーズ・ハードコアのストロングな影響を感じさせるクラスティー・ハードコア/パンクだが、80年後半初期チェコ・ハードコアをベースにしているところが、そのかれらのサウンドに独特の空気を加えているし、単なるフォロワーにしない彼ららしい
(Kriticka Situace をカバーしているところからもそれは十分分かる)。しかし重厚。チェコ語で唄う巻舌のヴォーカリストもカッコ良く、コーラスも力強い。「Market
Your Self(売り込め!)ー この挑発的なタイトルからも分るが、権威に対する敏感な注意力を持った政治的/個人的な歌詞も実に読みごたえ十分。もちろん日本語訳付。ボーナス・トラックとして、Mass
Genocide Process との Split 7"の最新音源、伝説のチェコ・ハードコア
"Radegast"、そしてなんと前述した"Kriticka Situace" (! ) (彼ら独自にアレンジしたこのカバーは超グレート、超熱い)のカバーまで含む全16曲収録。素敵なリリースだ。
SELF TORTURE "Mislead" CD (Zoosound)
¥800
トルコのNYスタイルのメタリック・ハードコア・バンド。
SIN FRONTERAS
"Banquete Superyo" CD (Masapunk)
¥900
チリ・サンティアゴのパンクロック/スカ・リベルタリオ "Sin Fronteras"
の全13曲収録デビュー・アルバム。こうした純粋なアナーコ・スカパンク・バンドが世界中に多いことは意外に知られてないが、このバンドは、フランスの
Ya Basta!、リトアニアの Dr.Green に匹敵する超渋いサウンドで最高。荒々しくハードなパンクロック・サウンドが土台にあって、スカ/レゲエ/ジャズを巧みに取り入れる。もちろん自由を求める解放的な雰囲気もたっぷりで、曲調も様々なので、陽気な気分になれたり、落ち着いた気分になれたり、一転拳を作って熱くもなれる。歌詞は全てスペイン語で、こちらも言うまでもなく漲る反逆&革命のパワー。英訳は無いが、G-8
という曲があったので、内容は大体予想はできるだろうか。トレードをしてくれたチリの
Maldita Cruz 始め、同じくチリのアナーコパンク・コレクティブ "Masapunk"
他、全4レーベルによる協同リリース。 グレート。
SNOWBLOOD
"Being And Becoming" CD (SuperFi) ¥900
スコットランドの Snowblood の60分にも及ぶ大作2ndアルバム。このバンドは殆ど知られてないが、東京の
Snowline が好きな人もかなり気に入りそうな Neurosis + God Speed You!
Black Emperor とでもいったソウルフルかつ破壊力のあるサウンドで、実験的/アンビエントな要素の使い方が非常に素晴らしいバンドだ。ヴォーカルも透き通
るような声質で情熱的に唱うものから、高/低の絶叫ヴォーカルを駆使するものまでその対比も見事。歌詞は人間や自分たちの日常生活における「明」と「暗」の挟間の感情を唱い叫ぶ。しかし、こ難しい表現を使わず、シンプルな表現を持って。彼らは社会に仕組まれた罠に何の注意力も批判もなく、「苦悩」したり「孤独」を主張したりという「フリ」がない。「Your
death Is Your Life」ーAubade
STAGNATION'S
END"s/t" LP (Civilization / Ans Bein Pissen)
¥800
Stagnation's End は、ドイツのグレートなポリティカル・カオティック/エモ・ハードコア・バンド。デビューアルバムとなる本作は、メタリックでメロディも重視したギターが印象に残るが、ダイナミックなハードコア度の高いドラミングとインテンスな展開も聞き応え十分。力強いそして悲痛な声で絶叫するヴォーカリストも怒り・不満爆発という感じ。歌詞はドイツ語と英語半々で唱われており、政治家やメディアの言ういわゆる「より良い生活」などまったく信じてない独立した声に満ちあふれた激しい政治的/個人的なもの。Offer
Resistance! Say goodbye to your nice life!
STARTER"Pace" CD (Sprout Records)
¥1,000 仙台のメロディックパンク・バンド "Starter" の1stアルバム。Leatherface、J
Church、Cigarette Man を思わすパワフルなサウンドで、伸びのある声で歌う女性ヴォーカルが印象に残る。全9曲。
THE APOLLO
PROGRAM / SHORT SUPPLY split CD (Heart On
Fire) ¥800
現在形フレンチ・エモハードコア・ 2バンドによるグレート・スプリット。The
Apollo Program は、Engine Downタイプのじわじわと心を揺さぶっていくようなエモロック・ハードコアで、同郷のAmanda
Woodwardのような激しさも持ち合わせている。方や、Short Supply! 現在、そのメンバーがやっている
Hyacinth はあまりのカッコ良さにマイ=フェイバリット・バンドになってしまったが、この前身バンドもタイプはかなり違うが実に熱いサウンドをプレイしている。Small
Brawn Bike、Cable Car Theory、あるいは、Hot Water Music といったエモティブ・ハードコアがベースにある激しいメロディック・サウンドに惚れ惚れする。Eric
Drooker の情熱溢れるジャケットが物語るように両バンドの歌詞も俺たちの人生における「時間」をテーマにした個人的/政治的なもので、やっぱそのアティテュードもクールだった2バンドである。
THE★CHARGE
"Hate Chain" 7" (D.I.Y.Records) ¥500
96年結成、東京ベテラン・アナキスト・パンクロック・バンドの1stシングル!いやあ、やはり
The Charge はさいこう。The Clash〜The Misfits ラインのメロディアスなサウンドを、完全に
The Charge 独自のサウンドにアレンジした泣きの熱いパンクロック。 日本語で歌うジョーの人情味溢れどこか哀愁を感じさせそして力強いヴォーカルもいい
(ヒーロー系。もちろん国家や警察といった「悪」を倒す) 。このアクの強さもかれの魅力。かれのヴォーカルは、日本語もちゃんと聞き取れるので、直接聞いて拳に力もはいる。そして笑顔になる
(笑) 。Misfits ばりのコーラス/シンガロングを聞かせる新曲2曲、そして名曲
"I hate the police!!" のニュー・ヴァージョンの全3曲収録。ポスタースリーブのジャケットには、かれらのいさましい姿が。(ちなみに、とある路上で偶然ジョーと会って、かれがちょうどこのレコードを持っていたため、その場で一緒にジャケットを折って、もらってきたという経緯付。パンクっぽくていい話)。
THE DAY
IS DONE "What I Have Lost Thus Far" 7" (Penske
Material) ¥400
テネシー州・メンフィスのポリティカル・ダーク・ヘヴィ・スロー・ハードコア
"The Day Is Done" の1stシングル。バンド名から既に「ダーク」な雰囲気たっぷりだが、彼らは、Dystopia
のような重く沈み込むかつ引き摺るかつダイナミックな超重量級のディストラクション・ハードコアをプレイしており、初期
His Hero Is Gone のような不穏な日々を描いたような叙情性も兼ね備えている5人組。そして、ネガティヴでポリティカルな歌詞からは、「生身の人間」の日々の怒りや苦痛が光りがひしひしと伝わってくる。イントロ〜曲中と挿入される人物の語り
(サンプリング SE) もカッコ良い「To Live...」という曲 (曲名もいい)
が特に印象に残ったかなりグレートなバンドだ。CrimethInc. からリリースしているバンドの感覚が好きな人にもオススメしたい。
THE ISTUKAS
OVER DISNEYLAND "O Guniu" CD (Cat Food Money)
¥600
フランスの Maloka から、インドネシアの Crashed Out との split CD もリリースし、インターナショナルなデビューも既に果
たしているフィリピンのポリティカル・パンクロック・ヒーローの2ndアルバム。UKスタイルのシンガロングなパンク/ハードコア・サウンドを自分たちのスタイルで自然体にやっている姿はまさに「パンクロック・ヒーロー」!楽曲もパワフルだし、曲調もバラエティにも富んでいるし、飽きないアルバムだ。素晴らしい歌詞は、自国のネイティヴ・ランガージ・英語で唱われていて、それらの歌詞や解説を読んでいると、彼ら自身も言っているが、彼らにとって、フィリピンでパンク/ハードコア・バンドであることがジョークではないということがガンガンに伝わってくる。中でも、家族を養うために国外に働きに出ているフィリピンの労働者が戦争エリア
(イスラエルのような) の医療施設に多いということを唱った "Foreign Land"
には何とも言えない気分になった。アメリカが背後にある政府がその支援のためにカネを使いまくって人々を貧困にさらし、無理矢理追い出しながら、国外に行っても奴らの爆弾で殺されているというこの事実。まったく、怒りを覚えないわけないよ。全17曲収録の自主レーベルからのリリース。
THE NOW-DENIAL
"Obey, Adapt, Shut Up And Die" CD (Too Circle)
¥1,100
Acclaim のグレート・フレンド (Repulsive Force 時代に、split 7" w/Highscore
をリリース)、そして現在のワン・オブ・ザ・ベスト・ジャーマン・ハードコア
"The Now-Denial" のディスコグラフィーが、東京の Too Circle Records
とドイツの Sabotage の協同で遂にリリース!彼らは、明らかに、Tragedy、From
Ashes Rise らの90's以降のモダン・ハードコアの影響、9.11前後にその本質をさらに露にしたグローバル資本・戦争国家群に支配されたこの異様な世界に対する意識・それと同時に巻き起こっている反グロ・ムーブメントにおける人々の抵抗をベースに結成されたポリティカル・ハードコア・バンドだ
(これは本人たちも言っているし、彼らのデビュー作であるsplit 7" w/Seein'Red
は、イタリア・ジェノバにおける反G8抗議行動 (2001年7月)、引き続く split
7" w/Highscoreは、スウェーデン・GBGにおける反E.U.抗議行動 (2001年6月)
で逮捕された人々の訴訟費用のためのベネフィット・レコードだった)。
サウンドは確かに、Tragedy、From Ashes Rise 以降に出てきたバンドという感じだが、独自のスタイルを持っているというか、一発で「The
Now-Denial」と分かる絶対的な存在感がある。2ndアルバム "Viva Viva Threatening"
ではよりストレートになり、それらのバンドの影響がより明確になったが、個人的には、彼らは90年初頭のジャーマン・エモーショナル・ハードコアの影響も強いように思う。とにかく、「怒り」と「不満」と「思慮」に満ちたパワフル・ハードコア全19曲。収録は、1stアルバム
"Truth Is On Fire"、2ndアルバム "Viva Viva Threatening" から何曲かを抜粋し、split
7" w/Seein'Red & Highscore、"Turn It Down!" comp LP、"Deutschland
In Decline" comp 7" の音源、そして未発表曲。さらに、完膚なきまでに「不服従」と「創造力」を叫ぶ歌詞もそのほとんどを手掛けるヴォーカリスト
"Soren" のセンシティヴな部分がよく現れていてカッコ良すぎる (彼は一度個人的に東京に来たことがあって、その時、俺は会っている)。日本語訳付きのデジパック仕様。加えて、エンハンスド仕様でライブ・ビデオも見れる。グレート・グレート・グレート。
THE PHOENIX FOUNDATION "Falling / Another Day" 7"
(Stonehenge) ¥400
フランスの Stonehenge から、フィンランド・アメイジング・ムーディー・メロディックパンク・バンド
"The Phoenix Foundation" のセカンドに当たる7"シングルが遂に入荷。
最新アルバム "Falling" にも収録された、個人的にそのアルバム中最高の名曲で、「生」のない人生への恐れを唱う「生の奪還」ソング
"Falling" (もちろん別セッションで、アレンジも違ってこの7"バージョンがよりいい)と未発表の
"Another Day" の全2曲収録。ただただ俺の人生に必要なバンドというしかない。「We're
Falling Down (俺たちは堕落している)」。
THOUGHT
CRIME "It's All In Yer Head" CD (Tribal
War) ¥1,200
Suicidal Supermarket Trolleys/Distraught の Simon、Warning/Distraught
の Todd、MDC の Matt のメンバーに加え、Crass のスティーブ・イグノラント!
がゲスト・ヴォーカルで参加の NYブルックリンのオールスター・バンド
"Thought Crime" のデビュー・アルバム。これはさすがに震えた。Conflict/Aus-Rotten
直系の怒濤のポリティカル・ハードコア/パンクに、全編「いかなる手段を使っても
New World Order (新世界秩序)に抵抗しろ」といった憎悪に溢れた考察的な歌詞。現代の戦争国家群のやりたい放題に最高の怒りをブチまける全10曲!燃えないわけない。
TOTAL
CONFUSED "Death Romantic Contra Core" CD
(Tribal War Asia) ¥1,200
精力的に東南アジアの DIY・ポリティカル・パンク/ハードコア・ムーブメントをサポートしている
Tribal War Asia よりインドネシアの "Total Confused" がデビュー。スパイキーヘアの超パワフルな女性ヴォーカリスト
"Mimiko" がフロントの重厚な怒りに満ちたクラストコアで、ノイジーかつメタリックなギター、太いベース、強固なドラミングと滅茶苦茶燃える。スピーカが揺れる揺れる。そして、自己反乱、東洋社会における女性の置かれた立場、反逆への情熱などを叫ぶシンプルで真摯な歌詞。これはいいぞ。全9曲。
UNIDOS
PELO ODIO "Renascendo Das Cinzas" CD (Terrotten)
¥900
ブラジル・ポルトアレグレのベテラン・パンク/ハードコア・バンド "Unidos
Pelo Odio" の活動12年目にして初の1stアルバム。現代的なDビート・クラスティー・ハードコアおよび、Oi
フレーバーなパンク・サウンドを見事にリンクさせたかなり渋いバンド。ハイ・クオリティなサウンド・プロダクションもダイナミックに仕上がっており、かれらの迫力&渋い味わいをこれまた見事に表現。初期
80's ブラジリアン・ハードコア・バンドを彷佛とさせるストロングなブラジリアン・スタイルのヴォーカル&コーラスもパワフルで、ツボを突いた唄方が拳を握らせること間違いなし。Gritos
De Alerta のメンバーらがゲスト・ヴォーカルで参加した全21曲。 クラストコアと
Motorhead をミックスした主流のスタイルとはまた別の "クラスト・ロック"
とでも言える。